保育士の給与格差はなぜ生まれるのか?知っておきたい給料の仕組み
この記事のポイント
- 保育士の給料は「国の公定価格」「自治体の補助」「園の経営方針」の3つで決まるため、同じ保育士でも園によって年収や手当が大きく変わります。
- 本記事では、保育士の平均年収の目安と「給料が低いと言われる理由」、そして園ごとに差が生まれる仕組みをわかりやすく解説します。
今日のおさらい:要点3つ
- 保育士の平均年収は約370〜400万円前後で、全産業平均よりやや低い水準です。
- 給料が低いと言われる主な理由は、公定価格の人件費水準と保育料の仕組みによる収入の上限です。
- 園ごとの給与差は、公立・私立、認可・認可外、地域、キャリア・役職などの条件で大きく変わります。
この記事の結論
- 保育士の給料は全国平均で月収およそ26万円・年収約380〜400万円前後が目安です。
- 一言で言うと、「公定価格と保育料という枠の中でしか人件費を増やしにくい」ため、給料が上がりにくい構造になっています。
- 公立認可保育園は比較的高水準、私立や認可外は園ごとの経営方針で差が出やすいのが実情です。
- 処遇改善加算や役職手当などにより、経験やポジション次第で年収アップのチャンスもあります。
- 結論:保育士の給料は「仕組みを理解し、園選びとキャリア形成で差をつける仕事」です。
保育士の平均給料はいくら?まずは相場を把握しよう
一言で言うと:平均は月収26万円前後・年収約380〜400万円
結論として、保育士の平均給与水準は「全産業の中ではやや低めだが、ここ数年は改善傾向」という状況です。
厚生労働省などの統計によると、保育士全体の平均月収は約26万円前後、ボーナスを含めた平均年収は約380〜400万円程度とされています。
ある調査では「全国の保育士の月収平均は約26万4,000円」「平均年収は約396万円」と報告されています。別のデータでは、「平均年収406万8,000円」「平均時給約2,055円」といった数字も示されており、統計の種類によって多少の差はあるものの、いずれも400万円前後が一つの目安です。
公立・私立、施設形態による年収の違い
保育士の平均年収は、「公立か私立か」「認可か認可外か」といった施設の種類によっても変わります。以下のような傾向が示されています。
| 区分 | 平均年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公立保育園 保育士 | 約340〜350万円前後 | 地方公務員扱いで昇給・賞与が安定 |
| 私立保育園 保育士 | 約300〜310万円前後 | 園ごとに差が大きく、手当で上乗せも |
| 認可保育園 | 保育士全体平均と近い | 公定価格に基づく安定的な運営 |
| 認可外保育園 | 園により幅が大きい | 保育料設定次第で高収入も可能 |
認可外保育園や企業主導型保育園などは、独自のカリキュラムや高めの保育料設定により、認可保育園以上の給与を支払っている例もあります。一方で、同じ認可保育園でも、地域や運営法人の方針によって、基本給や手当の水準に差が出る点にも注意が必要です。
保育士の給料が低いと言われる理由は?仕組みと背景を解説
一言で言うと:「公定価格」と「保育料」の枠が給与を押さえ込んでいる
最も大事なのは、「保育士の給料は単に園の努力だけでなく、制度の枠組みによって左右されている」という点です。
保育園の主な収入源は、国や自治体からの「公定価格」に基づく補助金と、保護者が支払う保育料です。公定価格とは、国が「子ども1人あたりに必要な保育の費用」を定めた金額で、その中に人件費(保育士の給料)も含まれています。
しかし、この公定価格で想定されている保育士数は、現場の実態より少なく設定されていると指摘されており、必要な人員を十分に配置した場合、人件費が膨らみやすくなります。さらに、保育料は自治体が上限を決めているため、一般のサービス業のように「人件費が増えたから料金も上げる」という調整が難しい構造になっています。
この結果、「子どもの安全・質の高い保育」を確保するために人員を増やすほど、1人あたりの給与原資は圧迫されやすいというジレンマが生じます。
処遇改善加算と政策的な賃金引き上げ
給料が低いと言われてきた保育士の処遇を改善するため、国は2013年以降、段階的に「処遇改善等加算」の仕組みを導入してきました。
- 2015年:処遇改善等加算I
- 2017年:処遇改善等加算II
- 2022年以降:加算IIIの導入や公定価格の見直しなどが実施
また、2024年度には公定価格自体が10.7%増額され、「保育士の人件費を引き上げるための原資」が拡大されました。
しかし、加算の要件や配分方法が複雑で、「加算分が十分に給与に反映されていない」と感じる保育士も少なくありません。一言で言うと、「制度としては賃上げの方向に動いているが、現場での実感には園ごとの差が大きい」というのが現状です。
昇給の機会が限られやすい構造
保育士の給料が低く感じられやすい理由として、「昇給幅の小ささ」や「キャリアパスの少なさ」も挙げられます。一般に、保育士のキャリアステップは以下の通りです。
- 新卒〜数年目:クラス担任
- 中堅:リーダー保育士・主担任
- ベテラン:副主任保育士・主任保育士・園長
しかし、ポストの数には限りがあります。処遇改善等加算では、「職務分野別リーダー」「副主任保育士」「専門リーダー」などの役職に対して、月額5,000円〜40,000円程度の上乗せが設定されているケースもあります。ただし、これらのポストに就くには一定年数の経験や役割が必要で、全員がすぐに対象となるわけではありません。
そのため、「経験年数に比べて給与があまり増えない」と感じる保育士が多く、「給料が低い」「割に合わない」という印象につながりやすくなっています。
園ごとに給料はどう違う?施設形態・地域・運営方針で見るポイント
公立と私立で保育士の給料はどれくらい違う?
一言で言うと:公立は安定高水準、私立は園ごとの差が大きい
ある統計では、公立保育園の保育士の平均年収は約345万円、私立では約306万円とされています。また、主任保育士や施設長クラスになると、公立では年収600万円前後、私立でも460〜630万円程度の水準が報告されており、役職に就くことで大きく収入が増える可能性があります。
公立保育園の多くは地方公務員としての採用となり、給与表に基づく昇給や手当、退職金制度が整備されています。一方、私立保育園は、法人の規模や財務状況によって基本給・賞与・手当が異なり、「同じ私立でも園によって待遇が全く違う」と感じることも珍しくありません。
認可と認可外で給料に差はある?
結論:認可は安定、認可外は「高くも低くもなりやすい」
認可保育園は、公定価格に基づく補助金により一定の安定性があり、「平均的な給与水準+処遇改善加算」が基本となります。
認可外保育園(企業主導型、事業所内保育、ベビーホテルなど)は保育料設定の自由度が高く、サービスの付加価値によっては、認可園以上の給料を出しているケースもあります。実際、都市部の企業主導型保育園では、月給23万〜26万円以上、賞与込みで年収400万円超を提示する求人も見られます。
しかし、認可外の中でも小規模で運営が厳しい園では、最低賃金に近い水準にとどまっている場合もあり、「振れ幅が大きい」のが特徴です。
地域によって保育士の給料はどのくらい違う?
一言で言うと:都市部ほど高めだが、生活費も考慮が必要
保育士の平均年収は、都道府県によって数十万円単位で差があります。大都市圏では、物価水準や人材確保の難しさを反映して、「地域手当」「家賃補助」などが上乗せされることが多く、地方に比べて年収が高くなる傾向があります。
ただし、都市部は家賃など生活費も高くなるため、「手取りの余裕」という観点では必ずしも有利とは限りません。園選びの際には、給与額だけでなく、家賃補助・通勤手当・住宅エリアの物価などを含めてトータルで考えることが大切です。
よくある質問
保育士の平均年収はいくらくらいですか?
統計によって差はありますが、月収約26万円・年収約380〜400万円前後が一つの目安とされています。
なぜ保育士の給料は低いと言われるのですか?
公定価格と保育料の仕組みで園の収入に上限があり、人件費を大幅に増やしにくい構造が背景にあります。
公立保育園と私立保育園ではどちらが給料が高いですか?
平均では公立の方がやや高く、主任や園長になると年収600万円前後も期待できますが、私立でも園によって高待遇のところがあります。
認可保育園と認可外保育園の給料の違いは?
認可は安定した水準、認可外は保育料設定などによって高収入も低収入もあり得るなど、園ごとのばらつきが大きいです。
保育士の給料は今後上がりますか?
公定価格の引き上げや処遇改善加算の拡充により、国全体としては賃上げの方向にあり、2024年度にも人件費の増額が行われています。
年収を上げたい保育士はどうすればいいですか?
公立や企業主導型など高水準の園を選ぶ、リーダー・主任・園長などの役職を目指す、地域手当や家賃補助が厚い地域で働くなどが有効です。
初任給はいくらくらいが相場ですか?
地域や園によりますが、正職員の新卒保育士で月給18万〜22万円程度が多く、その上に各種手当が加わるケースが一般的です。
処遇改善加算は本当に給料に反映されますか?
仕組み上は保育士の賃金改善に充てることが前提ですが、配分方法は園に任されているため、反映度合いには園ごとの差があります。
まとめ
- 保育士の平均年収は約380〜400万円前後で、全産業平均よりやや低い水準にあります。
- 給料が低いと言われる主な理由は、公定価格と保育料の枠組みによる収入制約と、昇給機会の限られたキャリア構造にあります。
- 公立・私立、認可・認可外、地域、役職の違いにより、同じ保育士でも園によって年収に大きな差が生まれます。
- 国の処遇改善策や公定価格の引き上げにより、今後も一定の賃上げは期待できますが、園ごとの取り組みで実感は変わります。
結論:保育士の給料は、制度の仕組みを理解したうえで、園選びとキャリア形成によって自分で高めていく余地がある給与体系です。
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