保育士の1日はどう動いているのか。勤務時間の仕組みと持ち帰り仕事の実態を解説
この記事のポイント
- 保育士は、子どもの登園時間に合わせて早朝から夜まで保育を行うため、「早番・中番・遅番」のシフト制で1日8時間前後働くことが一般的です。
- 一方で、書類作成や行事準備などが勤務時間内に終わらず、「サービス残業」や「持ち帰り仕事」になりやすい現状もあり、園ごとの体制や業務の仕組みが働きやすさを大きく左右しています。
今日のおさらい:要点3つ
- 一言で言うと、「保育士の基本勤務時間は1日8時間・週40時間」ですが、開園時間が長いため早番・中番・遅番などのシフトで回している園がほとんどです。
- 多くの保育士が、書類や行事準備のために残業や持ち帰り仕事を経験しており、調査では約67%が持ち帰り仕事をしていると答えています。
- 最も大事なのは、「勤務時間のルール」と「残業・持ち帰り仕事の扱い」を園全体で明確にし、シフトや業務分担・ICTを工夫することで、”働き方として無理のない保育”を実現することです。
この記事の結論
- 保育士の勤務時間は一般的に1日8時間・週40時間で、早番・中番・遅番などのシフト制が多く、開園時間に合わせて働き方が変わります。
- 実態としては、書類作成や行事準備のために残業や持ち帰り仕事をする保育士も多く、アンケートでは約67%が持ち帰り仕事ありと回答しています。
- 一言で言うと、「勤務時間の長さそのもの」よりも、「勤務時間内に仕事を終えられる仕組みがあるかどうか」が、働きやすさの決め手です。
- まず押さえるべき点は、「基本の勤務時間」「早番・中番・遅番の1日の流れ」「残業・持ち帰り仕事が発生しやすい業務と、それを減らす園の工夫」です。
保育士の勤務時間はどれくらい?基本ルールと1か月のイメージ
一言で言うと:「法律上は1日8時間・週40時間」
保育士の勤務時間は、労働基準法上は他の職種と同様に「1日8時間・週40時間」が原則です。そのため、正社員保育士の1か月の平均労働時間は160〜200時間前後で、週あたり40〜50時間未満の保育士が約6割を占めるとされています。
保育士の勤務時間に関するポイント
- 原則:1日8時間+休憩1時間、週40時間以内
- 週休2日制の園が多いが、土曜保育当番がある園では「月1〜数回の土曜勤務+平日振替」が一般的
- 労働基準法では、1日8時間・週40時間を超える労働には「割増賃金(残業代)」が必要とされている
一言で言うと、「紙の上では一般的なフルタイム勤務と同じですが、開園時間が長い分、シフトの入り方で体感は大きく変わる」ということです。
1か月単位で見ると?
アンケート調査では、保育士の時間外労働について次のような結果が出ています。
- 月の残業時間「5時間未満」が26.6%、「0時間」が25.6%で、40時間未満が約87.7%
- 一方で、「70時間以上」と答えた人も4.7%おり、園や個人差が大きい
別のデータでは、平均残業時間は月4時間前後とされていますが、自宅での作業や未申告の残業は統計に含まれていないと指摘されています。一言で言うと、「平均値だけを見ると残業は少なそうに見えるが、”持ち帰り仕事や未申告残業を含めた実態”は園によってかなり差がある」という状況です。
早番・中番・遅番でどう違う?保育士の1日の流れ
早番・中番・遅番のシフトと勤務時間は?
結論として、一般的な保育園では、開園時間(例:7:00〜19:00)に合わせるため、「早番・中番・遅番」の3交代シフトで1日8時間前後働く形が主流です。
代表的なシフト例
- 早番:7:00〜16:00(実働8時間+休憩1時間)
- 中番:8:30〜17:30、9:00〜18:00など
- 遅番:10:00〜19:00、10:30〜19:30など、延長保育と閉園作業を担当
園によっては、4〜7交代制の細かいシフトで、職員数や経験年数のバランスを取りながら勤務を組んでいるという解説もあります。一言で言うと、「どのシフトでも実働は8時間前後だが、”早起きか夜遅めか”で生活リズムがかなり変わる」とイメージすると分かりやすいです。
シフト別・1日の仕事の流れは?
早番(7:00〜16:00など)
- 開園準備(教室の環境設定、掃除、受け入れ準備)
- 早朝保育の子どもの受け入れ・保護者対応
- クラス担任への引き継ぎ
- 午前中の活動補助、給食準備のサポート
- 午後の活動に一部関わり、14〜15時台に書類や記録を進めつつ、16時頃に退勤
中番(8:30〜17:30など)
- 朝の受け入れ、保護者対応
- 主活動(園庭遊び・制作・リズム遊びなど)の中心を担当
- 給食・午睡の援助、起床・おやつ・降園準備
- 保護者への引き継ぎ、片付け、日誌・連絡帳・指導案などの記録
遅番(10:00〜19:00など)
- 午前は職員会議や書類作成をする園もある
- 午後の活動、延長保育の対応
- 保護者が最後の一人まで迎えに来るまでの保育
- 閉園作業(片付け・施錠など)
一言で言うと、「早番は開園と朝の受け入れ、中番はクラス運営の中心、遅番は延長保育と閉園」が主な役割と覚えておくと、1日のイメージが掴みやすいです。
残業・持ち帰り仕事はなぜ発生する?実態と対策
保育士の残業・持ち帰り仕事の実態は?
結論として、「統計上の残業時間は少なく見える一方で、持ち帰り仕事や未申告残業が多く、”体感として長い”という声が多い」のが実態です。
主なポイント
- 平均残業時間は月3〜4時間程度とされるが、この数字には「自宅で行う作業」や「タイムカードを切った後の作業」が含まれていない
- あるアンケートでは、「67%の保育士が持ち帰り仕事をしている」と回答しており、行事前や進級期に集中する傾向があると報告されている
一言で言うと、「数字だけ見れば残業は少なそうでも、現場の体感は”業務時間外の仕事が多い”」というギャップがあることが課題です。
どんな業務が持ち帰り仕事になりやすい?
複数の解説では、持ち帰り仕事になりやすい業務として次のようなものが挙げられています。
- 日誌・連絡帳・児童票などの記録
- 月案・週案・行事の指導案作成
- 壁面装飾や制作物の準備
- 発表会・運動会・卒園式などの行事準備
- お便りやクラスだよりの作成
「子どもと過ごしている日中は、書類がほとんど進められず、降園後や自宅で行わざるを得ない」という声が多く、これが持ち帰り仕事の大きな原因とされています。一言で言うと、「持ち帰り仕事の多くは、”子どもがいない時間でしか集中できない事務系の仕事”が勤務時間内に収まりきらないことから生まれています」。
残業・持ち帰り仕事は違法になり得る?
労働基準法では、1日8時間・週40時間を超える労働には割増賃金(残業代)が必要で、上司から「家でやっておいて」と明確に指示された仕事は、原則として残業扱いにすべきとされています。
「持ち帰り仕事が”サービス残業”になっている場合、法律上は問題がある可能性が高い」と指摘されています。一言で言うと、「保育士だから仕方ない」ではなく、「勤務時間外の仕事は本来は残業」であり、園と保育士が一緒に見直すべきテーマです。
働きやすい勤務時間にするためにできること
園側ができる勤務時間見直しのポイントは?
勤務時間の負担を減らすには、「シフトの工夫」と「業務の効率化」が欠かせません。
- シフトに「記録・準備」の時間を組み込む:午睡時間や夕方に、日誌や連絡帳を書くための時間を明示する
- 業務分担の見直し:壁面制作や行事準備をチームで分担し、一人に偏らないようにする
- ICT導入:登降園管理、日誌、連絡帳、指導案などをシステム化して入力作業を短縮する
- 行事・書類のスリム化:本当に必要な行事・書類に絞り、”なんとなく続いている業務”を見直す
一言で言うと、「保育士の努力に頼るのではなく、”勤務時間内に終えられる仕組み”を園として整えること」が、持ち帰り仕事を減らす近道です。
保育士個人ができる工夫は?
保育士本人の工夫として、次のようなポイントが紹介されています。
- 日中にメモを取り、まとめ書きの時間を短縮する
- すべて完璧にやろうとせず、「最低限ここだけは」という優先順位を決める
- 行事のアイデアや制作物は、再利用できるテンプレートを意識する
- 限界を感じたときは、一人で抱え込まず園長・主任に相談する
一言で言うと、「自分だけで何とかしようとせず、”園の仕組みを変えていく一員”として相談・提案していく姿勢が大切」です。
よくある質問
保育士の勤務時間は何時から何時までが多いですか?
一般的には早番7:00〜16:00、中番8:30〜17:30、遅番10:00〜19:00など、1日8時間+休憩1時間のシフト制です。
保育士の1日の平均労働時間はどれくらいですか?
月160〜200時間前後が多く、週40〜50時間未満の保育士が約6割とされています。
残業や持ち帰り仕事はどのくらいありますか?
平均残業は月3〜4時間とされますが、約67%の保育士が持ち帰り仕事をしているとのアンケート結果もあります。
どんな仕事が持ち帰りになりやすいですか?
日誌・連絡帳・指導案・行事準備・壁面制作・お便り作成などが持ち帰り仕事になりやすいとされています。
持ち帰り仕事は違法ですか?
上司の指示による自宅作業は、本来は残業扱いにすべきであり、サービス残業が慢性化している場合は問題とされています。
勤務時間内に仕事を終える工夫はありますか?
記録時間をシフトに組み込む、業務分担を見直す、ICTを導入するなどの工夫で負担を減らせます。
保育士の勤務時間は他の職種と比べて長いですか?
法律上は同じですが、開園時間が長く行事や持ち帰り仕事があるため、「体感として長い」と感じる人が多いとされています。
休憩はきちんと取れますか?
1日8時間以上の勤務には1時間の休憩が必要ですが、現場では子どもの状況により十分確保できないケースもあり、園の体制によって差があります。
勤務時間が不安な場合、園見学で何を聞けばいいですか?
シフトパターン、残業・持ち帰り仕事の有無、記録時間の確保、行事の準備方法などを具体的に聞くと実態が分かります。
働きやすい園の勤務時間の特徴は?
シフトが無理なく組まれており、事務時間や休憩が確保され、持ち帰り仕事をしない方針と仕組みを整えている園です。
まとめ
- 保育士の勤務時間は、法律上は1日8時間・週40時間で、早番・中番・遅番などのシフト制によって開園時間をカバーしており、1か月の労働時間は160〜200時間前後が一般的です。
- 実際には、書類作成や行事準備のために残業や持ち帰り仕事が発生している園も多く、約67%の保育士が持ち帰り仕事を経験している一方で、シフトや業務分担・ICT導入・行事削減などの工夫によって勤務時間内に仕事を終えやすくしている園も増えています。
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