保育士 仕事のやりがいはどう見つける?長く続けるための考え方

「小さな嬉しさ」を拾う習慣が、心を守る

この記事のポイント

保育士の約77.8%が「やりがいを感じている」と答えており、その8割以上が「子どもの成長を感じたとき」を一番のやりがいとして挙げています。

正直なところ、「保育のやりがいが分からなくなってきた」と感じる背景には、労働環境(仕事量・人間関係・給与)へのモヤモヤと、「自分は役に立てているのか」という自己肯定感の揺らぎが重なっていることが多いです。

迷っているなら、「①何に一番やりがいを感じるタイプか」「②どんな条件だとその瞬間が増えるか」「③今の職場でできる工夫と、環境を変えるべきライン」を分けて考えることで、”続けられる働き方”が見えやすくなります。

今日のおさらい:要点3つ

やりがいの”源泉”は大きく「子どもの成長」「保護者からの感謝」「自分自身の成長」「社会への貢献」の4つに分けられます。

よくあるのが、「やりがいがない=保育士に向いていない」と早合点してしまい、”環境要因(人員配置・仕事量・園の方針)”を見直す前に自分を責めてしまうパターン。

ケースによりますが、「今の園で工夫すれば取り戻せるやりがい」と「園を変えないと削られ続けるやりがい」があり、その境目を知ることが、長く続けるうえでの大事な分かれ道になります。

この記事の結論

一言で言うと、「保育士のやりがいは”子どもの成長”という共通の核を持ちながらも、感じ方や支え方は一人ひとり違い、その”自分なりのやりがいの軸”と”環境要因”を切り分けて考えないと、続ける前に自分を消耗してしまいやすい」です。

最も重要なのは、「①自分がどの瞬間に一番うれしいと感じるのかを言語化すること」「②その瞬間が今の職場でどれくらいあるかを正直に数えてみること」「③足りないなら、園内での工夫と転職という選択肢を両方視野に入れること」です。

失敗しないためには、「やりがい=我慢して頑張り続けること」という誤解から離れ、「心と体を壊さずに続けられるペースで、やりがいを感じる瞬間を増やす」視点を持ち、自分のキャリアを”長距離走”として設計することが大切です。


保育士がやりがいを感じる「4つの瞬間」と揺らぎやすい場面

1. 子どもの成長をそばで感じられた瞬間

マイナビの「保育士白書(2023)」では、やりがいを感じる場面として「子どもの成長を感じたとき」を挙げた保育士が84.2%と圧倒的多数でした。

具体的には、

  • 昨日までできなかったことができた瞬間(初めて歩けた・一人でズボンがはけたなど)
  • 友達とのトラブルを自分で解決できたとき
  • 苦手だった活動を楽しんで取り組めるようになったとき

など、「小さな”できた”」の積み重ねが、保育士にとっての大きなやりがいになっています。

正直なところ、日々の忙しさの中で、この”できた”を受け取る余裕がなくなると、「なんのために頑張っているんだろう」と感じやすくなります。

2. 保護者や同僚から感謝・信頼を示されたとき

同じ調査では、「園児・保護者に感謝されたとき」が58.1%、「上司や先輩に働きぶりが評価されたとき」が26.5%という結果も出ています。

  • 送り迎えの際に「先生のおかげで、家でもこんなことができるようになりました」と言われたとき
  • 行事後に、保護者から「感動しました」と声をかけられたとき
  • 同僚から「さっきの対応、すごく助かったよ」と言われたとき

こうした”ありがとう”の一言は、一日の疲れをやわらげてくれる大事なエネルギー源です。

一方で、保護者対応のストレスや、職場内でのコミュニケーション不足は、「やりがいの損失」につながりやすい要因としても指摘されています。

3. 自分自身の成長や強みを実感できたとき

やりがいを感じる場面として、「自身のスキルアップ・成長を感じるとき」と答えた保育士は29.5%、「自身の得意な分野で貢献できたとき」と答えた人は26.5%いました。

  • クラス運営が以前よりスムーズにできるようになった
  • 書類作成や保護者対応が前より落ち着いてできるようになった
  • ピアノ・制作・運動など、自分の得意分野を活かせた

こうした”自分の成長”を感じられる瞬間も、やりがいの大事な柱です。

実は、「子どものために」は思えても、「自分の成長」に目を向けるのが苦手な保育士さんは多いです。でも、長く続けるためには、「私も少しずつ成長している」という実感が、心の支えになります。


やりがいを「育てる」ためにできること

視点① 自分の「やりがいのタイプ」を知る

調査を見ていくと、やりがいの感じ方は大きく4タイプに分けられます。

  • A:子どもの成長・笑顔重視タイプ
  • B:保護者・社会への貢献実感タイプ
  • C:自分の成長・スキルアップ重視タイプ
  • D:チームで働くこと・職場の一体感重視タイプ

自分がどのタイプに近いかを知っておくと、

  • どんな園が合いやすいか
  • どんな働き方でやりがいを感じやすいか

のヒントになります。

実は、「子どもの成長だけがやりがい」という固定観念が強いと、自分の成長やチームでの達成感を「おまけ」扱いしてしまいがちです。でも、長く続けるうえでは、”複数のやりがいの柱”があった方が折れにくくなります。

視点② 「やりがいを奪う要因」と「自分で変えられる範囲」を分ける

離職理由の研究や調査では、

  • 人間関係の問題(約30%)
  • 給与・仕事量の多さ・長時間労働
  • 職場の方針・価値観とのズレ

が、退職の大きな要因として挙げられています。

一方で、

  • 自分の保育観の言語化
  • 得意・苦手の見極めと役割の相談
  • 日々の「小さな成功体験」の記録

など、”自分で変えられる範囲”もあります。

正直なところ、すべてを「自分の頑張り」で解決しようとすると、やりがいどころか心身を削るだけになってしまいます。「環境を変えるべきライン」を知っておくことも、やりがいを守るための大事な視点です。

視点③ 「この園で続ける」か「環境を変える」かの目安

やりがいを感じながら続けられるかどうかの目安として、

  • 1ヶ月に一度も「やってよかった」と思える瞬間がない
  • 睡眠・食事・体調に明らかな影響が出ている
  • 上司や同僚に相談しても、改善の兆しが見えない

といった状態が続いている場合は、「園を変える」ことも真剣に検討するサインとする考え方もあります。

逆に、

  • 忙しいけれど、週に何度かは子どもの成長や保護者の感謝を受け取れている
  • 相談できる先輩・同僚がいる
  • 自分のペースや役割について話し合える余地がある

なら、「今の園での工夫」から始める価値が大きいと言えます。


よくある質問(FAQ)

Q1:やりがいを感じないのは、保育士に向いていないからですか?

A:いいえ。調査でも、やりがいと同時に「仕事量・人間関係・給与」への不満が挙げられており、環境要因がやりがいを感じにくくしているケースが多いです。

Q2:どれくらいの頻度でやりがいを感じられれば”普通”ですか?

A:アンケートでは、「週に何度か感じる」が30.2%、「ほぼ毎日」が24.3%、「月に何度か」が23.3%でした。

頻度には個人差がありますが、「月に一度もない状態」が続くなら、働き方や環境の見直しサインと考えてよいでしょう。

Q3:こういう人は今すぐ相談すべき?

A:「眠れない・食べられないなど体調に影響が出ている」「毎朝職場に行くのがつらくて涙が出てしまう」「誰にも本音を話せていない」という人は、今すぐ園内の信頼できる上司・同僚、または外部の相談窓口に相談すべきです。

Q4:この状態なら、まだ工夫次第でやりがいを取り戻せる?

A:体調はおおむね安定していて、子どもの成長や保護者の感謝を”うれしい”と感じる瞬間が月に何度かでもあるなら、日々の振り返りや役割の調整で、やりがいを感じる機会を増やせる余地は大きいです。

Q5:迷っているなら、最初に何から始めるのがいい?

A:まずは「1日1つ、”うれしかったこと”をメモする」「自分がどの『やりがいタイプ』に近いかを書き出す」の2つから始めるのがおすすめです。

それを1~2週間続けると、「何が足りていて、何が足りないのか」が少し見えてきます。


まとめ

保育士の7割以上が「やりがいを感じている」と答えている一方で、「仕事量・人間関係・待遇」などの環境要因がやりがいを削っている現実も、大規模調査で明らかになっています。

正直なところ、「やりがいが分からなくなった」と感じるタイミングは、保育士としてダメになったサインではなく、”自分の軸と働き方を見直すタイミング”だと捉えた方が、長く続けるうえでは健全です。

体調に影響が出ている場合や職場で相談できる人が思い浮かばない場合は、一人で抱え込まずに、公的な相談窓口や転職エージェント、信頼できる第三者に話してみてください。「やめたい」という言葉と同じくらい、「続けたい気持ち」も心のどこかに残っているなら、まだやりがいの芽は残っています。


 

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