「月給だけでなく、働き方と総年収で判断する」:現実的な年収アップの考え方
この記事のポイント
- 「転職したら本当に年収は上がるのか?」という疑問に、エリア相場と具体例を交えながら現実的なラインで答えます
- 実際に年収アップに成功した保育士のケースと、逆に「思ったほど変わらなかった/むしろしんどくなった」ケースから、やり方の違いを整理します
- 「働きやすさ」と「給与」のバランスを踏まえつつ、次の転職で後悔しないための考え方を提案します
今日のおさらい:要点3つ
- 転職で年収アップを狙うなら、「月給」だけでなく、賞与・各種手当・勤務時間・通勤手当まで見た”年収ベース”で比較する必要があります
- よくある失敗は、「基本給の数字だけ」に引かれて転職し、サービス残業や持ち帰り仕事で実質の時給が下がってしまうパターンです
- 迷うなら、「今の年収」「希望年収」「譲れない条件(勤務地・勤務時間・保育観など)」を一度書き出し、求人票や園見学で”リアルな働き方”を確認しながら動くのがおすすめです
この記事の結論
一言で言うと、「保育士の転職で年収を上げたいなら、”月給アップ”だけでなく、”総支給+働き方”まで含めて比較することが必須」です。
最も重要なのは、「今の園での年収と労働時間」「応募先の年収・賞与・手当・残業の実態」を数字で比べ、自分の生活と体力にとって”プラスの転職かどうか”を冷静に判断することです。
失敗しないためには、「給料が高い園=ホワイト」と決めつけず、見学や面接で”残業・人員配置・有給・園の方針”まで確認し、年収だけでなく働きやすさとのバランスで選ぶことです。
保育士の給与・年収の「現実」と、転職で変えやすい部分
1. 保育士の年収のざっくり相場
厚生労働省の賃金構造基本統計などでも、保育士の平均年収は全産業平均を下回る水準で推移しているとされています。
一般的な民間データでも、保育士全体の平均年収はおおよそ300~350万円前後で、地方より政令市・大都市圏の方が、平均水準はやや高いといった傾向が示されています。
同じ資格・経験でも、園によって年収に50万円以上の差がつくケースがあると指摘されています。
正直なところ、「保育士だから年収はあまり変わらない」という諦め方もできます。でも、実は”どの園を選ぶか”で、数年単位で見た時の差はかなり大きくなるんですよね。
2. 転職で変えやすいのは「園ごとの給与設計」
給与に関わる要素の中で、転職で変えやすいのは、基本給・職務給、各種手当(処遇改善手当・役職手当・住宅手当など)、賞与(何ヶ月分か・実績として支給されているか)です。
例えば、同じ愛知県内でも、A園が月給20万円・賞与2ヶ月分で、B園が月給22万円・賞与3ヶ月分なら、ボーナスも含めた年収で数十万円の差が生じます。
「処遇改善手当の支給」「賞与の安定支給」など、保育士の生活を支える制度を整えていることを採用情報で明示している園もあります。実は、「処遇改善手当」がしっかり反映されているかどうかだけでも、手取りにかなり差が出ます。
3. 「見かけの年収」と「実質の時給」は別物
年収だけを見ると、転職前が年収320万円で転職後が年収360万円といった上昇もあり得ます。
しかし、転職前は週40時間・残業少なめなのに対し、転職後が週50時間相当(残業・持ち帰り含む)だと、実質の時給が下がってしまうこともあります。
「給料アップの裏で、サービス残業や持ち帰り業務が増え、”1時間あたりの単価”が下がるケース」が注意点として挙げられています。
正直なところ、「目の前の月給2万円アップ」に目が行きがちですが、「その2万円のために何時間増えているか」も一緒に見た方が、自分の体と生活を守りやすいです。
実体験から見る「年収アップ成功例」と「うまくいかなかった例」
実体験1:年収+40万円、でも”自分の時間”も守れたケース
30代前半の保育士さんの話です。
以前の園は正職・年収約310万円・残業月10時間前後でした。転職後の園は正職・年収約350万円・残業月5~10時間程度です。
転職のきっかけは、「正直なところ、このままでは将来が不安で…。実は、結婚や出産も考えたときに、少しでも貯金がしやすい働き方に変えたかったんです」とのことでした。
転職活動では、愛知県内で年収水準が比較的高いエリアをリサーチし、処遇改善手当や賞与実績が明記されている園に絞って応募し、見学時に、「行事前の残業」「持ち帰りの有無」を具体的に質問することを徹底しました。
結果として、月給は+2万円ほど、賞与も年間で1ヶ月分以上増加、残業時間はほぼ変わらず、むしろ業務の仕組み化で定時退勤の日が増えたとのことです。
「翌月の給与明細を見たときに、”この園なら、がんばりがちゃんと自分の生活にも返ってくるな”と感じました」と話していました。
実は、年収アップに成功した人ほど、”数字だけでなく働き方もセットで確認している”印象があります。
実体験2:月給は増えたのに、心身がしんどくなったケース
一方で、別の保育士さんはこう語っていました。
転職前は月給20万円・賞与2ヶ月・残業ほぼなしでしたが、転職後は月給24万円・賞与3ヶ月・残業・持ち帰りがかなり増加しました。
求人票では、「月給24万円以上・賞与3ヶ月分」「行事充実・やりがいのある環境」と魅力的な言葉が並んでいました。
「正直なところ、給与面だけ見れば”勝ち”だと思っていました」と語っていますが、入職後は、行事の数が多く、準備で連日1~2時間の残業、書類や制作が多く、持ち帰りも当たり前という状況が起こりました。
給与は増えたものの、プライベートの時間と体力が削られていく感覚を感じたそうです。
半年ほどで、「実は、今の年収アップに見合うだけの”余裕”が自分の中に残っていないと感じて…。翌朝の目覚めが重くなり、また転職を考え始めてしまいました」と振り返っていました。
ケースによりますが、「年収アップ=幸せアップ」とは限らないということです。
現場の声:「給料」と「働きやすさ」のバランス
複数の保育士向け調査でも、「転職で重視する条件」として、給与額、職場の雰囲気(人間関係)、残業・持ち帰り、通勤時間などが並び、「給与だけ」「働きやすさだけ」に偏らないバランスを求める保育士が多いことが分かっています。
「給与」と「働きやすさ」の両立を追求している法人もあり、「小規模保育や認可保育園でのゆとりある職員配置」「複数園というスケールを活かした運営体制」を通じて実現しています。
正直、このバランスをどう取るかは、人それぞれです。実は、「今の自分にとって、どちらを何割くらいにしたいか」を言葉にしておくと、求人を見る目がかなり変わります。
転職で給与改善を狙うときの考え方とステップ
ステップ1:「今の年収と時給感覚」を把握する
まずは、現状把握からです。
年収は、月給×12+賞与(実績)+各種手当で計算します。
実質の労働時間は、1日あたりの勤務時間(残業・持ち帰り含む)と月あたりの勤務日数から把握します。
これをもとに、ざっくりとした”時給感覚”を持っておきます。例えば、年収320万円/週40時間勤務なら、時給換算でおおよそ1,500円前後のイメージです。
採用情報で給与・手当・勤務時間を明示している園なら、これと比較して「どれくらいの差があるか」を冷静に見られます。
正直、最初は数字を見るのが怖いかもしれません。でも、実は”何となく不満”を脱出するには、この「見える化」が一番の近道です。
ステップ2:「希望年収」と「譲れない条件」を決める
次に、希望年収(現状+いくらくらい)、生活に必要な最低ライン、譲れない条件(通勤時間・勤務形態・保育観・休日数など)を整理します。
例えば、希望年収350万円前後、最低ライン現状と同じ320万円、譲れない条件として通勤1時間以内、残業・持ち帰りが”今より増えない”こと、自分の保育観と大きくズレない園といった具体例が考えられます。
この”軸”が決まると、求人票を見たときに、「給与はいいけど残業が多そうだから候補外」「給与は少しアップ+働きやすそうだから候補」といった仕分けがしやすくなります。
特定のエリアが絞られている法人では、「通勤」「生活圏」との兼ね合いも含めて検討しやすいというメリットもあります。
ステップ3:求人票+見学で「数字」と「現場」を照らし合わせる
最後に、求人票で「給与・賞与・手当・勤務時間」を確認し、見学や面接で「残業・持ち帰り・人員配置・園の方針・有給の取りやすさ」を質問するという二段構えで園を見ていきます。
具体的な質問例としては、「行事前の残業は、月にどれくらい発生しますか?」「持ち帰りの仕事がある場合、それはどのように扱われていますか?」「処遇改善手当は、どのような形で支給されていますか?」「有給は、どのくらいの割合で取得されていますか?」といったものが挙げられます。
正直、こうした質問は少し勇気がいります。でも、「給与と働き方のリアル」を把握せずに入ってしまうと、後からのギャップが一番つらいです。
よくある質問
Q1:保育士は転職で本当に年収を上げられますか?
A1:エリアや経験にもよりますが、同じ保育士資格でも園を変えることで、年収で20~50万円程度アップした例は少なくありません。ただし、残業や持ち帰り仕事の有無など、”働き方”も合わせて確認することが重要です。
Q2:年収アップを狙うなら、どんな園を選べばいいですか?
A2:処遇改善手当や賞与実績が明記されている園、複数園を運営する法人(スケールメリットがある)などは、比較的給与水準が安定している傾向があります。同時に、見学で人員配置や残業状況も必ず確認しましょう。
Q3:年収は上がったけれど、仕事がきつくて続けられません…
A3:一時的な繁忙期なら様子を見る選択肢もありますが、慢性的にオーバーワークな環境なら、”年収ダウンでも働きやすい園”を検討することも選択肢です。自分の体と心を守ることは、長い目で見たキャリアのためにも大切です。
Q4:20代と30代以降で、転職時の年収交渉は変わりますか?
A4:20代はポテンシャル採用的な側面があり、30代以降は経験・役職経験が重視されやすいです。どの年代でも、「これまでの経験で何ができるか」を具体的に伝えられると、給与面で評価されやすくなります。
Q5:パートから正職員になれば年収は上がりますか?
A5:多くの場合、時給制パートより正職員の方が年収は上がりますが、その分責任や労働時間も増えます。ライフステージと家族状況も考慮して、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
Q6:同じ法人内で園を異動すると年収は変わりますか?
A6:法人によりますが、役職・担当クラス・勤務形態が変わることで、手当が変動するケースがあります。具体的には、法人の人事担当に確認するのが確実です。
Q7:ボーナスだけ高い園と、月給が高い園、どちらがいいですか?
A7:ライフプランによります。安定した毎月の生活費を重視するなら月給、貯蓄や大きな支出を意識するなら賞与重視も一案です。両方のバランスと、実績としてきちんと支給されているかを確認しましょう。
まとめ
保育士の転職で年収アップは現実的な選択肢ですが、「月給」だけでなく「賞与・手当・労働時間」を含めた”総合的な年収”で見ることが大事です。
給料アップだけを追いかけると、残業や持ち帰り増加で”実質時給マイナス”になるリスクがあり、「給与」と「働きやすさ」のバランスを見る視点が欠かせません。
今の年収と働き方を見える化し、「希望年収」と「譲れない条件」を整理したうえで、求人票+園見学でリアルを確認することで、後悔の少ない転職に近づけます。
年収アップを実現するには、情報収集と慎重な判断が必要ですが、同時に「自分の人生に必要なお金」と「自分が続けられる働き方」のバランスを見失わないことが、長期的なキャリアの満足度につながります。
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