「優先順位トップ3」で決める:複数内定から1園を選ぶ判断軸
この記事のポイント
- 「どの園もそれぞれ良く見えて決められない…」という状態から抜け出すために、判断基準を”紙に書けるレベル”まで具体化します
- 実際に複数内定から1園を選んだ保育士さんのビフォーアフターから、「どんな基準で決めたら後悔が少なかったか」が分かります
- 複数園運営法人の採用サイトで発信されている「選ばれる理由」なども参考にしつつ、複数園運営法人ならではの見方も交えて、現実的な決め方をお伝えします
今日のおさらい:要点3つ
- 職場選びで迷ったときは、「全部大事」のまま比較するのではなく、”優先順位トップ3″を決めることで一気に決めやすくなります
- よくある失敗は、「給料」「家からの近さ」だけで決めて、忙しさ・人間関係・教育体制など”日常”の部分を見落としてしまうことです
- 迷うなら、「今のしんどさの原因」と「次の園で守りたいこと」を書き出し、候補の園を”点数”ではなく”自分との相性”で比べるのがおすすめです
この記事の結論
一言で言うと、「保育士が複数の求人で迷ったときは、”完璧な園探し”をやめて、自分にとっての優先順位トップ3で判断するのが一番現実的」です。
最も重要なのは、「給与・通勤・保育観・忙しさ・教育体制」などの条件を全部同列で考え続けるのではなく、”今の自分が一番変えたい部分”と”一番譲れない部分”から順に決めていくことです。
失敗しないためには、「条件の数字」だけでなく、”園の方針・職員の表情・教育体制・人員配置”といった”日常の働きやすさ”を、見学や面接で自分の目と耳で確認してから比較することです。
なぜ職場選びで迷ってしまうのか
①条件を”全部盛り”にしてしまうから
求人を見ていると、給与は今より+3万円がいい、家から30分以内がいい、行事少なめ・残業少なめがいい、教育体制もしっかりしていてほしい、保育観も自分と合っていてほしい、と「全部に◎をつけたい」状態になりがちです。
正直なところ、求人サイトを見ながら、「これも、あれも…」と条件を足していくうちに、検索結果がほとんどゼロになったことがあります。気づくと、夜中に何度も同じワードで検索しては、「やっぱり決められない」とスマホを閉じる、を繰り返していました。
実は、「全部を100点にする」のではなく、「自分にとって80点を3つ揃える」という発想に変えると、一気に選びやすくなります。
②「今のしんどさ」と「次に求めるもの」が整理できていないから
よくあるのが、今の園がしんどいけれど、”何が”しんどいのか言葉にできていない、次の園に求めるものが、「なんとなく良さそう」レベルでしかないという状態です。
複数園を運営する法人では、採用サイトで「選ばれる理由」「仕事内容・職員の採用について」を詳しく書いている場合があります。自園の”強み”を明確にしています。
一方で、自分の「変えたいこと」「守りたいこと」が曖昧なままだと、どれだけ情報を見ても決め手を感じにくくなります。
正直、”情報不足”ではなく、”自分の軸不足”で迷っているケースも多いです。
③「どちらを選んでも不安」がつきまとうから
候補が2~3園まで絞れているときほど、「A園にしたら、B園の方が良かったんじゃないかと考え続けそう」「どこを選んでも、また同じように悩んだらどうしよう」という不安が顔を出します。
よくあるのが、内定をもらってから、決められなくて何度もスケジュール帳とにらめっこするパターンです。ケースによりますが、「どちらを選んでも少しは迷いが残る」と最初から認めてしまった方が、むしろ決めやすくなります。
判断軸を作るためのステップ
ステップ1:「今のしんどさ」を3つに分解する
まずは、今の園に感じているモヤモヤを分解します。
紙に、「今の園でしんどいことベスト3」を書き出してみます。
例としては、人員不足で、毎日バタバタして心の余裕がない、行事と書類が多く、持ち帰りが当たり前になっている、困った時に相談できる先輩がいないといったものが挙げられます。
採用サイトでも、「ゆとりある職員配置」「小規模保育で一人ひとりと向き合える環境」「複数園運営の法人としてのサポート」など、現場のしんどさを軽減する工夫が”理由”として挙げられています。
正直、このステップはちょっとしんどいですが、「何から変えたいのか」が見えてくると、求人の見え方が一気に変わります。
ステップ2:「次の園で守りたいこと」を3つに絞る
次に、これだけは今よりマシにしたい、ここだけは譲りたくない、というポイントを3つに絞ります。
例としては、人員に少し余裕がある園(フリーの先生や複数担任制など)、行事の数が多すぎず、「子どもの成長」を中心にしている園、新人・中途へのフォロー体制(OJT・面談など)がある園といったものが挙げられます。
採用サイトの「選ばれる理由」ページでは、職員同士のチームワークや研修制度、働きやすさへの取り組みなどが紹介されています。
こうした情報を見ながら、「自分にとって何が一番響くか」を考えるのも、軸を作る手がかりになります。
ステップ3:”優先順位トップ3″を決める
ステップ1と2を踏まえて、「優先順位トップ3」を決めます。
例えば、忙しさの質を変えたい(人員配置・行事・書類の仕組み)、保育観が自分と近い園で働きたい、将来のために、今より少し給与を上げたい、という3つが考えられます。
この3つが決まったら、候補の園を次のように見ていきます。
A園:職員配置◎、保育観◎、給与△
B園:職員配置△、保育観○、給与◎
C園:職員配置○、保育観○、給与○
実は、多くの人が最終的に選んで満足しているのは、「全部◎ではないけれど、トップ3の条件が○以上」の園です。
実体験:複数内定から”1園”を選んだ保育士たち
実体験1:給料と通勤だけで選んで後悔した話
ある保育士さんは、A園(給与高め・通勤20分・行事多・人員ギリギリ)と、B園(給与普通・通勤40分・行事ほどほど・職員に余裕あり)という2つの候補で迷き、最終的に「給料+通勤の近さ」でA園を選びました。
入職後、行事前は連日残業・持ち帰り、人員に余裕がなく、毎日走り回るという状態が続きました。半年後には、「せっかく給与は上がったのに、体力と心がもたない」と感じるようになったと言います。
「正直なところ、あのとき”忙しさ”を軽く見ていました。実は、自分にとって一番の優先順位は”心の余裕”だったんだと後から気づきました」と振り返っていました。
実体験2:優先順位を決めてから選んでよかった話
別の保育士さんは、A園(複数園運営法人・小規模保育あり・研修制度あり)と、B園(単園運営・昔ながらの雰囲気・給与やや高め)という2つの内定で迷きました。
この方は、人員と教育体制に余裕がある園、チームで支え合う雰囲気がある園、通勤1時間以内、を優先順位に設定し、A園を選びました。
「最初は、”法人ってなんだか堅そうだな”と警戒していました。でも、仕事内容や選ばれる理由のページを見たときに、”ここは育てる前提なんだな”と感じて、心が決まりました」と話していました。
入職後は、OJTや研修で、最初の不安を相談しやすく、同じ法人内に他園もあることで、「異動」という選択肢も持てたとのことです。
「あのとき優先順位を決めていなかったら、きっと給料だけで別の園を選んで、また同じように悩んでいたと思う」と話していました。
実体験3:最後は”通勤時間よりも心の余裕”を選んだ話
もう一人の保育士さんは、A園(家から自転車10分・人員ギリギリ・行事多め)と、B園(電車+徒歩で45分・複数担任+フリー職員・行事は絞っている)の2園で迷きました。
最初は「通勤のラクさ」でA園に気持ちが傾いていましたが、「実は、前の園も”家から近いから”で選んで、忙しさで体調を崩したんです」と話し、今回は「通勤より心と体の余裕」を優先し、B園を選びました。
「翌朝の通勤時間は少し長くなったけど、電車の中で”今日はどんな風に子どもたちと遊ぼうかな”って考えられる余裕がある。それだけでも、前とは雲泥の差です」と笑っていました。
よくある質問
Q1:複数内定が出たとき、どれくらいで決めるべきですか?
A1:園にもよりますが、内定の回答期限は1週間~10日前後が多いです。期限を確認したうえで、見学や質問が足りない場合は、追加で問い合わせても問題ありません。
Q2:家から近い園と、条件が良い園、どちらを優先すべき?
A2:通勤の負担も大事ですが、「近いからこそ、しんどくても我慢して通い続けてしまう」リスクもあります。自分にとっての優先順位を整理したうえで、”どれくらい遠くまでなら通えるか”のラインを決めておくと判断しやすいです。
Q3:法人運営の園と単園、どちらが安心ですか?
A3:法人運営の園は、複数園でノウハウを共有しやすく、研修やサポート体制が整っている傾向があります。単園は、園長のカラーが強く出る分、合えば居心地抜群なこともあります。どちらも”実際の仕組み”で判断することが大切です。
Q4:給与と働きやすさ、どちらを取ればいいか分かりません…
A4:生活が厳しいなら、一定以上の給与は必要です。一方、心身が限界に近いなら、働きやすさを優先すべき時期もあります。「今の自分にとって、どちらの比重が高いか」を一度言葉にしてみましょう。
Q5:見学しても、どの園も良く見えてしまいます
A5:自然な感覚です。そんなときは、「職員の表情」「子どもとの距離感」「説明の具体性」に注目してみてください。違いが少しずつ見えてくるはずです。
Q6:家族と自分の希望が合いません…
A6:家族の意見は大切ですが、最終的に働くのは自分です。家族には「なぜその園を選びたいのか」を優先順位と一緒に説明し、自分自身の気持ちも大事にして決めましょう。
Q7:決めたあとに「やっぱり間違えたかも」と思ったら?
A7:どの選択にも「想像と違った部分」は出てきます。まずは3ヶ月~半年、自分なりに工夫してみる価値はあります。それでも合わないと感じたら、その経験を活かして次の判断軸をより明確にすれば大丈夫です。
まとめ
保育士が職場選びで迷ったときは、「今のしんどさ」と「次の園で守りたいこと」を3つずつ言葉にし、その中から”優先順位トップ3″を決めるのが近道です。
給与・通勤時間・保育観・忙しさ・教育体制を全部同列に考えるのではなく、「自分にとって何を何割で大事にしたいか」をはっきりさせることで、複数の求人を比較しやすくなります。
複数園を運営する法人のように、採用サイトで「選ばれる理由」「仕事内容」「園の特徴」を具体的に出している法人は、”自分の軸”と照らし合わせやすく、判断軸を作るうえでも参考にしやすいです。
複数の選択肢は、困ることもあれば、自分にとって何が本当に大事かを見つめ直す機会でもあります。その機会を大事にしながら、「自分らしく働き続けられる園」を選ぶプロセスを大切にしてください。
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