保育園の規模の違いと認可保育園の比較|小規模と大規模どっちが働きやすい?

小規模園と大規模園のどちらが良いか迷う保育士が、規模より大切な判断基準に気づけるように比較して解説します

保育園を選ぶとき最初に決めるべきは規模ではなく、保育方針との相性です。

理由は、働きやすさを左右する人間関係と仕事量が、園児の人数ではなく運営の考え方で決まるからです。

小規模園と大規模園にはそれぞれ明確な長所と短所があり、比較の軸を3つ持てば自分に合う園は判断できます。

これは両方の規模を見学した保育士の多くが、最後にたどり着く結論でもあります。

求人票を開いて、定員19名の園と定員100名超の園を交互に眺めては閉じる。

「少人数のほうが落ち着いて働けそう」「でも大きい園のほうが制度は整っている?」。

頭の中で同じ比較を何周もしてしまう。

この記事では、認可保育園の制度の違いから規模ごとの働き方の差、見学で確認すべきポイントまでを順番に整理します。

読み終えるころには、規模で迷う状態から、自分の基準で選べる状態に変わります。

【この記事のポイント】

  • 小規模園と大規模園の働き方の違いを、認可制度の基礎から整理して比較できる
  • 規模より優先すべき判断基準3つ(保育方針・人員体制・行事量)が具体的に分かる
  • 見学で実際に比較した保育士が確認していたチェックポイントを知り、行動に移せる

この記事の結論

  • 一言で言うと、園選びは「規模より保育方針」で決めるべき。
  • 最も重要なのは、規模の長所短所を知った上で、方針と人員体制を見比べること。
  • 失敗しないためには、必ず複数園を見学し、同じ基準で比較すること。
  • 小規模園は乳児とじっくり関わる働き方、大規模園は分業と行事のダイナミックさが持ち味。

保育園と認可保育園の違いから整理する、園規模の基礎知識

認可保育園と認可外保育園の比較で見える、働く側の安心材料

結論から言うと、働く側の安定性を重視するなら認可保育園が基準になります。

認可保育園は国の設置基準を満たし、自治体の確認を受けて運営費が公費で支えられている園です。

一方、認可外保育園は基準や運営の自由度が高い反面、経営が利用料に依存しやすい構造があります。

働く側から比較すると、認可園は配置基準や面積基準が守られているという前提があり、雇用の土台が読みやすいのが利点です。

認可外にも夜間保育や独自教育など存在意義があり、一概に優劣は付けられません。

ただ、初めての就職や転職で迷っているなら、まず認可園を軸に比較するのが安全です。

こども家庭庁の資料では、保育士の有効求人倍率は令和6年4月時点で2.42倍と、全職種平均の1.18倍を大きく上回っています。

つまり選べる立場にあるからこそ、制度の土台から比較する価値があります。

小規模認可保育園とは何か。定員19名以下・0〜2歳児中心の働き方

小規模認可保育園は、定員19名以下で主に0〜2歳児を預かる認可事業です。

子ども一人ひとりの生活リズムに合わせやすく、担当する子どもの人数が少ないぶん、発達の小さな変化に気づきやすい環境です。

行事は比較的コンパクトで、大規模な発表会の練習に何週間も追われる働き方にはなりにくい傾向があります。

職員数も少ないため、全員で全園児を見る「チームで回す」感覚が強くなります。

実は、ここが合う人と合わない人の分かれ目です。

乳児保育が好きで、一人ひとりと深く関わりたい人には向いています。

逆に、幼児クラスの集団活動や大きな行事をつくり上げたい人には物足りない場合もあります。

愛知県内でも小牧市や一宮市のような子育て世帯の多い地域では、小規模園が乳児保育の受け皿として定着してきました。

大規模園の特徴と、向いている保育士のタイプ

大規模園の強みは、分業体制と経験の幅です。

職員数が多いので、行事や書類の係を分担でき、フリー保育士や看護師が配置されている園もあります。

乳児から年長まで幅広い年齢を経験でき、主任や学年リーダーへのキャリアの階段も見えやすい構造です。

一方で、職員が多いぶん人間関係は複雑になりやすく、会議や行事準備の総量も増えます。

厚生労働省の報告書でも、退職理由の上位には「職場の人間関係」「仕事量が多い」が挙げられています。

規模が大きいこと自体は悪くありませんが、人が増えるほど運営の統率力が働きやすさを左右します。

集団を動かす面白さを求める人、多くの先輩から学びたい人には大規模園が合います。

ケースによりますが、新卒で右も左も分からない時期は、教育係が明確な大規模園が安心という声もあります。

規模で迷った保育士が、最終的に納得できた判断基準

判断基準は3つ。保育方針・人員体制・行事量で比べる

規模の比較で堂々巡りになったら、次の3つに置き換えてください。

1つ目は保育方針です。

子どものペースを尊重するのか、一斉活動やカリキュラムを重視するのか。

方針は日々の保育の優先順位を決めるため、自分の価値観と合わないと毎日が消耗戦になります。

2つ目は人員体制です。

配置基準ぎりぎりで回す園と、余裕を持たせる園では、休憩の取りやすさも残業も変わります。

保育士の労働環境研究では、30分程度の休憩確保がバーンアウト予防に重要とされています。

3つ目は行事量です。

行事の数と規模は、持ち帰り仕事の量にほぼ直結します。

この3つは小規模園にも大規模園にもそのまま使える、公平な比較軸です。

見学で比較した保育士が確認していたポイント

私たちは愛知県で小規模の認可保育園を8園運営していますが、見学に来る保育士さんの質問には共通点があります。

よくあるのが「休憩は実際に取れていますか」「行事の準備はいつやっていますか」という、生活に直結する質問です。

一宮市の園に見学に来た方は、「前の園では乳児とじっくり関わりたかったのに、行事準備に追われて子どもの顔を見る余裕がなくて」と話してくれました。

その方が確認していたのは、掲示物の凝り具合、保育士同士の会話のトーン、そして子どもと目線を合わせている時間の長さです。

書類やパンフレットでは分からない部分こそ、見学でしか確認できません。

複数園を同じチェック項目で見ると、規模の違いよりも運営の違いのほうが大きいことに気づくはずです。

見学は1園で決めず、規模の異なる2〜3園を回るのが失敗しないコツです。

例外もある。規模が合わないと感じたときに確認したいこと

正直なところ、規模だけで合う合わないが決まるわけではありません。

小規模園でも人間関係が固定化して息苦しい園はありますし、大規模園でもチームワークの良い園はあります。

例外を見抜く鍵は、辞めた理由ではなく続いている理由を聞くことです。

面接や見学で「長く勤めている方は、何が理由で続いていますか」と質問してみてください。

答えが具体的な園は、職員の定着に本気で向き合っています。

小牧市で転職相談を受けたある保育士さんは、「大規模園しか経験がないので、19名の園でやっていけるか半信半疑です」と話していました。

実際に見学して数か月後、「子どもの名前を全員呼べる毎日が想像以上に楽しい」と教えてくれました。

月曜の朝の気持ちが少し軽くなった、その一言が印象に残っています。

規模はあくまで器で、中身は園ごとに違う。

だからこそ、自分の目で確かめる価値があります。

よくある質問

Q1. 認可保育園と認可外保育園、働くならどちらが安定していますか?

A1. 一般論としては認可保育園です。

運営費が公費で支えられ、配置基準など国の基準を満たしているため、雇用の土台が読みやすいからです。

ただし認可外にも独自の魅力がある園はあり、最終判断は運営状況の確認が前提です。

Q2. 小規模保育園は給料が低いというのは本当ですか?

A2. 規模だけで給与は決まりません。

給与は処遇改善等加算などの制度と園の運営方針で変わり、政府も保育士の賃金改善を継続中です。

求人票の基本給と手当の内訳を、規模の異なる2〜3園で比較するのが確実です。

Q3. 小規模園と大規模園、残業が少ないのはどちらですか?

A3. 傾向としては行事が少ない小規模園ですが、決め手は園の業務分担です。

大規模園でも分業が機能していれば残業は抑えられます。

面接で「昨日、職員は何時に帰りましたか」と具体的に聞くのが有効です。

Q4. 大規模園から小規模園への転職は不利になりますか?

A4. 不利にはなりません。

幼児クラスや行事運営の経験は、小規模園では貴重な戦力と評価されます。

ただし乳児中心の毎日に変わるため、0〜2歳児の保育が好きかどうかは自問しておくべきです。

Q5. 小規模園ではキャリアアップできないのでは?

A5. 園内の役職ポストは少ない傾向ですが、複数園を運営する法人なら主任や園長への道はあります。

系列園の数と、リーダー登用の実績を面接で確認してください。

キャリアアップ研修の受講支援の有無も比較材料になります。

Q6. 保育士の求人はたくさんあるのに、なぜ迷ってしまうのですか?

A6. 求人倍率2.42倍という売り手市場で、選択肢が多すぎることが原因です。

選べるからこそ、判断基準がないと決められなくなります。

保育方針・人員体制・行事量の3軸に絞ると比較が一気に楽になります。

Q7. 見学だけして応募しないのは失礼ですか?

A7. 失礼ではありません。

複数園の見学比較は、いまや転職活動の標準的な進め方です。

幸の華でも見学だけの相談を受け付けており、応募→職場見学→面接という流れで納得してから進めます。

Q8. 子どもの数が減っているのに、保育士の仕事は将来も安定しますか?

A8. 出生数は1970年代の約200万人から2023年には約70万人まで減りましたが、女性就業率の上昇で保育需要は減っていません。

資格保持者のうち実際に働いている人は約半数で、担い手は今も不足しています。

まとめ

小規模園と大規模園の比較は、多くの保育士が最初にぶつかる分かれ道です。

しかし本当の分かれ道は規模ではなく、保育方針が自分の価値観と合うか、人員体制に余裕があるか、行事量が生活と両立できるか。

この3つの基準で見れば、規模の違いは「どちらが良いか」ではなく「どちらが自分に合うか」の問題に変わります。

認可制度という土台を理解し、規模ごとの長所短所を知り、見学で現場の空気を確かめる。

この順番で進めた人は、入職後のギャップが小さく、長く働ける職場にたどり着いています。

複数園を比較する前提で、まずは職場見学から始めるのが安全です。

幸の華は愛知県の小牧市・一宮市・名古屋市で認可の小規模保育園を8園、25年にわたり運営しており、見学だけのご相談も受け付けています。

残業がほぼない働き方も、比較材料の一つとして実際に見て確かめてください。

この記事のまとめ:要点3つ

  • 園選びの決め手は規模ではなく、保育方針・人員体制・行事量の3つの基準
  • 小規模園は乳児との深い関わり、大規模園は分業と経験の幅が強み。優劣ではなく相性で選ぶ
  • 求人倍率2.42倍の売り手市場だからこそ、規模の異なる複数園を見学して比較する

迷いを断ち切る一番の近道は、今週、見学の予約を1件入れてみることです。


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