保育士を目指す方へ!子ども同士のトラブル対応の基本と考え方を解説
【この記事のポイント】
保育園では、おもちゃの取り合い、たたく・かむ・押すといった子ども同士のトラブルが日常的に起こるため、保育士には「まずケガを防ぐ」「気持ちを受け止める」「どうすればよかったかを一緒に考える」対応力が求められます。
この記事では、園を運営する立場から、保育士志望者が知っておきたい子ども同士のトラブル対応の基本ステップ、年齢や場面ごとの考え方、保護者への伝え方のポイントまでを、実習や就職面接でも使える形で整理して解説します。
今日のおさらい:要点3つ
一言で言うと、「子ども同士のトラブル対応は、叱るより”安全確保と気持ちの代弁・整理”が基本」であり、状況に応じて”見守る・止める”を切り替える力が重要です。
最も大事なのは、「怪我の予防」「感情的に叱らない」「どうすればよかったかを一緒に考える」「保護者に客観的に説明する」という4つの軸を押さえることです。
初心者がまず押さえるべき点は、「ケガの危険があるときはすぐ止める」「その場で簡単に状況整理と声かけをする」「あとで必ず保護者と園内で共有する」という3ステップです。
この記事の結論
結論:子ども同士のトラブル対応は、①安全確保、②気持ちの受け止め、③事実の整理、④どうすればよかったかを一緒に考える、⑤保護者・職員間の共有、という流れで行うのが基本です。
ケガの可能性がある叩く・噛む・押すなどの場面では、すぐに子どもを引き離して落ち着かせ、その後で「叩かれたら痛い」「噛んではいけない」と冷静に伝え、お互いの気持ちを代弁しながら解決します。
一言で言うと、「トラブル対応=叱ること」ではなく、「子どもが自分と相手の気持ちを知り、”次はどうするか”を学ぶ機会に変えること」が保育士の役割です。
初心者がまず押さえるべき点は、「どの場面で見守り、どの場面で止めるかの目安」「基本の声かけフレーズ」「保護者への客観的な伝え方」です。
子ども同士のトラブルはなぜ起こる?見守る場面と止める場面
保育園での子ども同士のトラブル(おもちゃの取り合い、口げんか、叩く・噛むなど)は、子どもが「自分の気持ち」と「相手の気持ち」を学ぶ過程で起こる”成長の一部”です。
「大人から見ると些細なことでも、子どもにとっては真剣な葛藤の場面であり、その中で自分の気持ちや境界線、友だちとの関係を学んでいる」と言われています。
一方で、噛みつき・引っかき・取っ組み合いなど、ケガの危険がある行為については、すぐに制止して引き離すことが必要です。
見守る場面と止める場面の目安
見守る
- 言い合いだけで、ケガの危険が少ない
- 互いの言い分が聞けていて、自分たちで折り合いをつけられそうなとき
止める
- 噛みつき・叩く・押す・引っかく・物を投げるなど、ケガにつながる動きが出たとき
- 片方が一方的にやられている、力の差が大きいとき
一言で言うと、「トラブルそのものをゼロにする」のではなく、「危険があるときは止め、そうでないときは”学びのチャンス”として見守る」のが基本です。
保育士の基本対応ステップ:安全確保から気持ちの受け止めまで
トラブルが起きた瞬間、まず何をする?
「まずは安全確保、その次に気持ちのクールダウン」が基本です。
ケガの確認と安全確保
噛みつき・叩く・引っかき・押すなど、ケガの危険がある場合はすぐに間に入り、子どもを手の届かない位置まで引き離します。噛まれた部分や傷を確認し、必要に応じて流水で洗う、冷やすなどの処置を行います。
それぞれを落ち着ける
興奮している子どもには、場所を移す・保育士と1対1で話す・少し静かな場所でクールダウンするなどの対応が勧められています。この段階では、「なぜやったの?」と問うよりも、「痛かったね」「びっくりしたね」と気持ちの受け止めを優先し、叱りつけるのではなく落ち着きを取り戻すことを目標にします。
一言で言うと、「結論や原因を急いで追及する前に、まず”安全と気持ちの安定”を整えること」が大切です。
噛みつき・叩くなど”してしまった子”への声かけは?
「感情的に叱らず、してはいけないことを冷静に伝える」ことが重要です。
感情的に大声で叱るのはNG
子どもは理由を言葉にできず、「怖かった」という感情だけが残ってしまう可能性があります。
事実と気持ちをセットで伝える
「叩かれたら痛いね」「噛んだら相手はびっくりして悲しくなるよ」と、相手の気持ちも想像できるように言葉を選びます。
クールダウンの時間をつくる
怒りや不安が強いときは、静かな場所に移動して、一緒に深呼吸をしたり、保育士が寄り添いながら気持ちを落ち着かせます。
一言で言うと、「してはいけない行為は止めるが、子ども自身は否定しない」姿勢が大切です。
やられた子へのフォローは?
やられた子への対応で大事なのは、「気持ちを受け止め、安心感を回復させること」です。
まずは気持ちに共感する
「痛かったね」「怖かったね」「教えてくれてありがとう」と、話してくれたことへの感謝も伝えます。
状況を簡単に説明する
「おもちゃを使いたくて押しちゃったみたいだね」など、できる範囲で状況を整理します。
スキンシップで安心させる
抱きしめる・手を握るなどのスキンシップが、子どもの安心につながるとされています。
一言で言うと、「被害を受けた子にとっても、”気持ちを分かってもらえた経験”が、次の一歩を踏み出す力になります」。
どう解決に導く?”叱る”ではなく”学びにつなげる”関わり
「どうすればよかったか」を一緒に考えるには?
「叱る」のではなく、「一緒に考えながら伝える」ことが、子どもの学びにつながります。
状況を整理する
「誰と」「何を」「どうして」トラブルになったのか、子どもの言葉や保育士の観察をもとに簡単に確認します。
それぞれの気持ちを代弁する
「〇〇ちゃんはまだ遊びたかったんだね」「△△ちゃんはそのおもちゃを使いたかったんだね」と、双方の気持ちを言葉にします。
次にどうすれば良いかを一緒に考える
「次に使いたいときはどうする?」「”貸して”って言ってみる?」「先生に一緒に相談しようか」など、選択肢を提案します。
「叱るのではなく、”どうすればよかったか”を本人が納得できる言葉で伝えること」を大切にしている、という現場の声も聞かれます。
一言で言うと、「トラブル対応のゴールは”謝らせること”ではなく、”次にどうするかを子ども自身が分かるようになること”」です。
謝る・謝らせるときのポイントは?
「謝罪を強制するより、”言える雰囲気づくり”を大切にする」ことが勧められています。
- すぐに「ごめんなさいしなさい」と迫らない
- 事情を整理し、お互いの気持ちを代弁したうえで、「言えそうなら”ごめんね”って言ってみようか」と促す
- 小さな「ありがとう」「どうぞ」などの言葉も、日頃から積み重ねておく
一言で言うと、「謝ることの意味が分かるように”前後の言葉”を整える」のが、保育士の役割です。
保護者への伝え方と園内での共有のポイント
保護者にはどこまで、どう伝える?
「事実を具体的に、双方の気持ちに配慮しながら、今後の対策も含めて伝える」ことが信頼関係につながります。
報告のタイミング
トラブル発生後できるだけ早く、お迎え時や連絡帳などで報告します。
伝える内容
- 何が原因で、どういう経過で、どのようなケガや関わりがあったのか(事実)
- 子どもの気持ちや、園でのフォロー(落ち着くまで抱っこしていた、話を聞いたなど)
- 今後の見守り・配慮や、必要に応じた対策案(配置の工夫など)
言葉選び
「〇〇ちゃんが悪い」という表現は避け、行為に焦点を当てて説明します(例:「叩いてしまった」「噛んでしまった」など)。
一言で言うと、「保護者が知りたいのは”詳しい状況とこれから”であり、それに丁寧に答えることが信頼につながります」。
園内での情報共有と予防の工夫は?
「子どもの行動傾向やトラブルになりやすい組み合わせを職員全員で共有する」ことが重要です。
- 「噛みつきが出やすい子」「興奮しやすい場面」などを職員間で共有し、そばにいる大人の数や配置を工夫する
- 定期的な会議やヒヤリハットの共有で、環境やルールを見直す
一言で言うと、「トラブルが起きた後の共有と環境調整が、”同じ場面を繰り返さない”ための鍵」です。
よくある質問
Q. 子ども同士のケンカは、どこまで見守っていいですか?
ケガの危険がなければ言い合いは見守り、噛みつき・叩く・押すなど危険があるときはすぐ止めます。
Q. 噛みつきがあったとき、噛んだ子はどう対応すればいいですか?
感情的に叱らず、「噛まれたら痛い」「噛んではいけない」と事実を伝え、クールダウンの時間をとります。
Q. やられた子にはどんな声かけをすればいいですか?
「痛かったね」「教えてくれてありがとう」と気持ちを受け止め、抱っこや手を握るなどで安心させます。
Q. ケンカのあと、必ず謝らせたほうがいいですか?
無理に言わせるより、状況整理と気持ちの代弁をしたうえで、「言えそうなら言ってみようか」と促すのが望ましいとされています。
Q. 保護者にはどこまで説明すべきですか?
原因・経過・ケガの状況・園での対応・今後の見守り方を、事実に基づいて具体的に伝えます。
Q. 同じ子が何度もトラブルを起こす場合は?
行動の背景や場面を分析し、職員間で傾向と対応方法を共有し、環境や配置を調整します。
Q. 実習生は子どものケンカにどう関わればいいですか?
まずは安全確保、次に担任に状況を伝え、基本の声かけ(痛かったね・どうしたの?)を意識して動くことが勧められています。
Q. 園で起きたトラブルを家庭ではどうサポートすれば良いですか?
気持ちを受け止め、「話してくれてありがとう」と伝えたうえで、園での解決を尊重し、家ではスキンシップで安心を与えることが推奨されています。
Q. トラブルが起きたときに絶対やってはいけないことは?
事情を聞かずに一方を頭ごなしに叱ること、相手や保護者を責めること、事実説明が不十分なままにすることです。
Q. トラブルを減らすために日頃からできる工夫は?
人数や年齢に合った環境設定、遊びのバリエーション、ルールの共有、職員間の情報共有と保護者との連携が効果的です。
まとめ
子ども同士のトラブル対応の基本は、「安全確保→気持ちの受け止め→事実の整理→どうすればよかったかを一緒に考える→保護者・園内で共有する」という流れを、感情的に叱るのではなく”学びにつなげる関わり”で行うことです。
噛みつきや叩くなどの危険行為はすぐに止めつつ、やった子・やられた子それぞれの気持ちを受け止め、相手の気持ちを想像できるように伝え、保護者には事実と今後の対応を丁寧に説明することが、信頼関係と子どもの成長の両方につながります。
一言で言うと、「保育士は子ども同士のトラブルを”叱る場面”ではなく、”人との関わり方を学ぶレッスンの場”に変える存在」であることが重要です。
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