保育士 転職の最終決断が不安?後悔しない選び方のポイント

感情ではなく、整理された判断で踏み出す

【この記事のポイント】

保育士の転職で後悔しやすいのは、「給料など数字だけで決める」「今の不満からの”逃げ”だけで動く」「情報不足のまま入職する」という3パターンだと指摘されています。正直なところ、「この園が100点かどうか」は入ってみないと分からない一方で、「自分の譲れない条件にどれだけ近いか」「今の園よりどこが良くなるか」は事前にかなり見極められます。転職の最終決断は、「転職理由の整理→軸の設定→園情報の収集→見学・質問→比較」という流れを踏み、最後は”完璧ではなく7~8割の納得”でGOサインを出すのが現実的です。

今日のおさらい3つ

まず、「辞めたい理由」と「転職で叶えたいこと」を2列に分けて書き出し、どの悩みは”園を変えないと変わらないのか”をはっきりさせる。次に、候補の園を「条件(給料・休み)」「保育方針・園長の考え」「人間関係・雰囲気」の3視点で比較し、自分の”転職の軸3つ”にどれだけ合っているかを整理する。最後に、「不安がゼロになるのを待つ」のではなく、「残っている不安を書き出して、事前に質問・準備で手当てできるもの」と「実際に働いてからしか分からないもの」に分けてから、期限を決めて最終判断をする。

【この記事の結論】

一言で言うと「転職の最終決断は、”感情”ではなく”整理された不安と優先順位”で下す」ということです。最も重要なのは、「転職理由」と「転職の軸(譲れない条件)」を先に言語化し、候補の園を”同じ基準”で比較したうえで、「今の園に残る/転職する」のメリット・デメリットを具体的に並べてみることです。失敗しないためには、「完璧な園が見つかるまで待つ」のではなく、「7割納得できる選択肢の中から、自分が後悔しにくい方を選ぶ」感覚で、期限を決めて最終判断をすることです。


なぜ「最終決断」がこんなに怖いのか

① 夜に求人票を閉じるたびに、ため息がひとつ増えていく

夜、連絡帳を書き終えて家に帰り、スマホで求人サイトを開く。「月給◯万円」「年間休日◯日」「アットホームな職場」の文字が並ぶ画面を、上へ下へとスクロールする。何件も保存を押したあと、ふと手が止まり、画面を閉じる――「やっぱり決めきれない」。

正直なところ、この状態は「決め手がない」のではなく、何を基準に選べばいいかが分からない、決めたあとに後悔しそうで怖い、今の園を辞めるリスクも頭に浮かぶ、という”頭の中の渋滞”が起きている状態です。

② よくあるのが「転職する/しない」の二択で悩み続けてしまうこと

保育士向けの転職記事でも、「転職が怖いと感じる人は、”転職するか/しないか”の二択で悩み続けてしまいがち」と指摘されています。本当は、今の園に残る、園内で部署やクラスを変える相談をする、別の園に転職する(業界内)、保育以外の仕事も含めて考えるなど、もっと選択肢があります。

「二択で考える」と、どちらを選んでも失敗しそうに感じてしまい、余計に決められなくなります。

③ 実体験:決めきれずに1年モヤモヤした保育士さんの”気づき”

幸の華グループの採用相談で出会った20代後半の保育士さんは、「実は、去年も転職サイトに登録して、園見学も2園行ったんですけど…結局、決められずに1年が過ぎました」と話してくれました。

理由を聞くと、「この園もいいところあるけど、完璧ではない」「もう1園見たら、もっといいところがあるかも」「でも、今の園を辞めて後悔したらどうしよう」と、頭の中でぐるぐる考え続けていたそうです。

一緒に「転職の軸」を3つに絞って紙に書き出してみると、「あれ、”完璧な園”を探そうとしてたんだな…。私が本当に変えたいのは、この3つだけなのに」と本人が気づき、そこから判断が進み始めました。


後悔しないための”最終判断の3ステップ”

① ステップ1:転職理由と「転職しない場合」の未来を書き出す

まず最初にやることは、転職を「感情」から「言葉」に変えることです。紙を縦に2つに分けて、左に転職したい理由(今の園から離れたい理由)、右に転職して叶えたいこと(次の園や働き方に期待すること)を書き出します。

転職したい理由の例としては、行事準備と持ち帰り仕事が多すぎる、園長に相談しづらい、有給がほとんど取れないが挙げられます。転職して叶えたいことの例としては、日々の保育に集中できる働き方、困ったときに相談できる上司や先輩、年に5日以上は有給を取りたい、が挙げられます。

ここまではよくある作業ですが、もう一歩踏み込みます。「今の園に残った場合、この1年はどうなりそうか?」を想像して、簡単に書き出します。来年度のクラス配置、体力・メンタルの状態、私生活への影響など、マイナビなどのガイドも、「自分が求めるライフスタイルをはっきりさせる」ことを、後悔しない転職の第一歩に挙げています。

ここでのポイントは、「転職しないリスク」も見えるようにする、「動かないこと」のデメリットもちゃんと並べることです。これをやると、「どっちを選んでも不安」の状態から、「どちらの不安を引き受けるか」の思考に変わっていきます。

② ステップ2:候補の園を”同じ物差し”で比較する

次に、転職先候補の園を、同じ基準で比較します。幸の華グループのブログでも、「転職の軸(ここだけは譲れない条件)を3つ以内に絞り、条件・保育方針・人間関係の3視点で評価すること」が失敗を防ぐポイントだとまとめられています。

代表的な転職の軸として、給与・賞与・手当(年収)、労働時間・残業・持ち帰り、年間休日・有給の取りやすさ、保育方針・園長の考え方、人間関係・チーム保育の雰囲気が挙げられます。

候補園ごとに、給与・賞与は◎か〇か△か、年間休日・有給は◎か〇か△か、残業・持ち帰りは◎か〇か△か、といったように、簡単な表にして「◎/〇/△」くらいで評価してみます。正直なところ、こうやって並べてみると、完璧な園はない、でも、今の園より良くなる点がいくつもある候補が見えるということに気づくことが多いです。

③ ステップ3:不安を「事前に対処できるもの」と「引き受けるもの」に分ける

最終決断の前に、不安をゼロにしようとすると、一生決められません。そこで、不安を次の2つに分けてみます。事前に対処できる不安として、本当に有給が取れるか、面接で実績を聞く、行事の負担、年間行事と準備のやり方を質問する、が挙げられます。実際に働いてみないと分からない不安として、特定の先輩との相性、子どもとの関係の築きやすさ、が挙げられます。

園選びのポイントをまとめた記事でも、「転職リスクとリターンを理解し、複数の勤務先を比較する」ことが後悔を減らすとされています。不安リストを書き出し、左に確認してから決めること、右に受け入れたうえで踏み出すことに分けたうえで、期限を決めて決断するのがおすすめです。


よくある質問

Q1:転職の最終決断をするタイミングは、どう決めればいいですか?

A:「いつまでに転職したいか」(例:来年度4月)「退職を伝えるリミット」(例:2~3か月前)から逆算し、「◯月末までに内定先を決める」と決めるのが現実的です。期限を決めないと、いつまでも迷い続けてしまいます。

Q2:「この園で本当にやっていけるか」と思うと決められません…。

A:完璧な確信は誰にも持てません。大事なのは、「今の園よりどこが良くなるか」「自分の軸にどれだけ合っているか」を整理し、”メリットの方が大きい”と判断できるかどうかです。

Q3:複数内定をもらった場合、どう選べばいいですか?

A:自分の転職の軸3つの優先順位を決める、各園をその軸で◎/〇/△評価する、「今の自分の生活と心に一番フィットする組み合わせ」を選ぶ、という手順が推奨されています。

Q4:「今の園に残る」選択をしたら、それは負けですか?

A:全くそんなことはありません。「残る」を選ぶ場合も、「何を変えたいか」「園内で相談できることは何か」を整理することで、それも立派な”環境調整の一つ”です。

Q5:家族の意見と、自分の気持ちが食い違っていて迷っています…。

A:家族の意見は大事ですが、働くのは自分です。「収入・働き方・距離」など家族が心配しているポイントを整理しつつ、自分が何に一番しんどさを感じているかも伝え、すり合わせを図るのが現実的です。

Q6:転職エージェントに背中を押されると、流されてしまいそうで不安です…。

A:エージェントは情報提供と調整のプロですが、最終決断はあくまで自分の役割です。「今日の面談のあと、必ず一晩置いてから決める」と自分ルールを決めておくと、流されにくくなります。

Q7:転職して失敗したら、もう戻れない気がします…。

A:確かに、短期離職は避けたいですが、「完全に戻れない」ということはありません。実際、多くの保育士が複数回の転職やキャリアチェンジを経て、自分に合う形を見つけています。「一度で完璧に当てよう」とプレッシャーをかけ過ぎないことも大切です。


まとめ

保育士が転職の最終決断で迷うときは、「転職理由の整理→転職の軸3つの設定→条件・方針・人間関係の3視点で候補園を比較」という基本の流れを踏み、今の園に残る場合の未来も含めて”どちらの不安を引き受けるか”を考えることが、後悔しない選び方につながります。

不安をゼロにしようとするのではなく、「事前に質問や準備で対処できる不安」と「実際に働いてみないと分からない不安」に分けたうえで、自分の譲れない条件に7~8割合っている園を選び、”◯月までに決める”と期限を切ることで、感情ではなく整理された判断で一歩を踏み出せます。


 

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